上阿多野の水掛菜

性状
 アブラナ科のBrassica campestris L.に属すると思われる。葉は欠刻が深く、ダイコン葉状に葉柄基部まで裂片がつづく。毛じはかなり多い。葉柄や抽苔茎にアントシアンを生ずるものもある。根は紡錐形で、頸部で直径3cm前後になり、紫紅色を有する。下部は白色である。

栽培特徴
 水田にかまぼこ状の畝(田んぼの土を長く盛り上げたもの)の間に水を通して菜種(アブラナ野菜)を栽培する。

収穫時期
 収穫時期は2月から3月の厳寒期。

呼び名
 (つみ菜・・・市場用語)(董菜・・・董の部分を伸ばし摘み取る水掛菜)
(刈菜・・・カマで刈り取る)
 水掛菜の由来

水掛菜は新潟県から伝播されたのが明治19年春 旧北郷村(現 小山町)阿多野の戸長喜多長平氏が越後に旅をした折、湧水利用により厳寒期を過ぎたばかりの春にもかかわらず、青々とした菜が栽培されているのを見つけ、当地方の湧水と類似することから、その種子を譲り受け、持ち帰った種子が当地の水掛菜の始まりと言われています。当時は緑肥と栽培されていたが、明治の中旬、東海道線(現 御殿場線)施設工事の際、労働者として来麓した越後の婦人が食用に供したのが、食用の始めとされ、この頃より、『とう菜』あるいは『水菜』として近隣市町村で販売されるようになったとされ、以来百年余、そのおいしさは先人たちから伝えられて参りました。
 富士山のふもとに位置する小山町(阿多野)には、富士山の雪解け水が長い年月をかけて湧水となり、阿多野用水から栽培される水掛菜が大変重宝がられています。
 ・水掛け菜は、水田の裏作として作り、刈り入れの終わった10月、高畦にした田に種をまきます。寒い冬の間、水をかけ流して育てて、2月中旬から3月、残り雪があちらこちらに白く見える田に入り、25cmほどに伸びた『とう』、花茎のやわらかい茎だけを1本1本丁寧に摘み取ります。「とう」は、生鮮野菜としても流通しますが、主に漬物になります。刈り菜は董(茎)が育たない地方で収穫する方法。(重に漬物とする。)水かけというい独特な栽培、茎の部分を食用にしているところは、寒冷地ならではの先人の知・恵で、他の青菜類とは大きく違うところです。
元気の基がたっぷり
たくさんのビタミン、ミネラルやほうれん草の2倍のカルシウムが含まれています。
また、虫のいない時期に作るので、農薬を使用する必要がありません。
市場に出荷した状態
10キロ束で出荷し、平均高値、キロ1,000円からの初競りも見られます。 産地によって市場に並ぶ場所が分かれています。 出荷すると一晩、市場に置くことなるため、鮮度が変わります。収穫した直後、塩漬けしますとより一層おいしいのですが・・



 阿多野水あ『阿多野用水』産は特に柔らかく苦味がありません。
3日目の朝、出荷できます。 1・2・3・5・7・10キロと発送の箱が分かれています
(写真は2キロ入り)
茎の伸びない水掛菜は通称(刈り菜)として漬物で出荷されます。 初競り頃、漬物1kg
土産店で2,000円
農家直売で1,000円
最盛期
土産物店で1,200円
農家直売で800円